脳波や機能的核磁気共鳴画像(fMRI)を用いて運動に関する情報の解読を行っています。これらの成果は、ブレイン・マシン・インタフェース(BMI)や運動制御の脳内メカニズムの解明に役立つ可能性があります。これまでの主な成果は以下の通りです。

  • ・脳波から筋活動信号が再現できる可能性を示しました。(Yoshimura et al, 2012)
  • ・fMRI信号と機械学習を用いて、運動の座標系の脳内表象を調べられる可能性を示しました。(Yoshimura et al 2014)
  • ・脳波から推定した筋活動信号を用いて筋電信号で駆動するパワーアシストロボットを動かせる可能性を示しました。(Kawase et al 2016)
  • ・簡易的な脳波計を用いて、脳波、眼電図、筋電信号を用いて画像処理を備えたロボットを動かすシステムを発表しました。Minati 特任准教授との共同研究です。(Minati et al 2017)
  • ・脳波信号から推定した脳内ネットワークの活動を用いることにより指の運動方向の識別率が向上する可能性を示しました。卒業生の津田くんの研究成果でもあります。(Yoshimura et al 2017)
  • ・足首の屈曲、伸展運動が脳波から識別できる可能性を示しました。卒業生のAlejandraの成果です。(Mejia Tobar et al 2018)
  • ・非線形振動子を用いたアリ型ロボットを開発し、脳波から制御できる可能性を示しました。Minati 特任准教授との共同研究であり、卒業生の橘内くんの成果でもあります。(Minati et al, 2018, Kitsunai et al, 2020)
  • ・脳に備わる誤差予測を用いて脳波から運動方向を検出できる可能性を示しました。フランスCNRSのGanesh博士との共同研究です。(Ganesh et al, 2018, Shi et al, 2021)
  • ・Phase locking value (PLV)に振幅情報を加えることで、2つの事象の判別性能が底上げできる可能性を示しました。Minati 特任准教授との共同研究です。(Minati et al, 2019)
  • ・筋電信号と腕のMRI画像を用いて、筋活動源の推定を行いました。東京大学との共同研究です。(Piovanelli et al 2020)
  • ・ヒトがカオス的な挙動をする動きを予測できる可能性を示しました。NTTコミュニケーション科学基礎研究所の高木敦士博士、東工大のMinati特任准教授との共同研究で、卒業生の古田くんの成果でもあります。(Takagi et al 2020)
  • ・加齢に伴い低下する運動調整能力が安静時の脳内ネットワーク活動の特徴として現れている可能性を示しました。NTTコミュニケーション科学基礎研究所の高木敦士博士、花王株式会社の緒方洋輔博士、イタリアIRCCSのDomenico Aquino博士、東工大のMinati特任准教授との共同研究で、卒業生の津田くんの成果でもあります。(Yoshimura et al 2020)
  • ・脳波の独立成分を用いて指の運動方向のデコーディングを行い、脳内の表象解析を行いました。卒業生のTellacheくんの成果でもあります。(Tellache et al 2021)